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2020年11月6日更新 投稿者 代表理事:澤 尚幸 林業を考える(第2回)
Salon de ∫u kenの4回目の古川さんのお話しから感じたことの2回目です。 前回は、資本主義の「秩序」と言うものが、世の中の見え方を変えてしまったと言うことについてお話しをしてみました。 自分の家に近いほど現実より大きく見え、自分の家から遠いものほど現実よりも小さく見える 今から近いものほど現実より大きく見え、今から遠いものほど現実よりも小さく見える そう言うお話しでした。 この歪みを元に戻すには、いくつかの考え方があるように思います。 古川さんのお話しでは、森林を守っていくためには、現在、原木市場で一本10000円くらいで売買されているものが、20000円く……
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2020年10月31日更新 投稿者 代表理事:澤 尚幸 自治体の庁舎ってなんだろう(「かもなまいずうむ」へのお誘い)
少し前に、急に建設費が高騰し、賛成・反対で二分されている松江市庁舎問題を「ポジティブに語ってみる」というオンラインイベントにお誘いを受けた。 最後の10分くらいだけ不謹慎にも参加して、自分の好きなことだけ言って帰るという、場所荒らしの状態でご迷惑をおかけした。 (「かもなまいずうむ」のオーナー桑谷さん、参加していたみなさん、ごめんなさい) どこに移転するか いくらかかるか みたいなことが議論の中心になることが多いが、 そもそも デジタルな時代に庁舎はこれまでと同じ規模が必要なのだろうか? 市民窓口もオンライン化され 会議もオンライン化される(議……
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2020年10月21日更新 投稿者 代表理事:澤 尚幸 林業を考える(第1回)
Salon de ∫u kenの第4回目、古川泰司さんの「森と林業のマーケティング」から触発されて書くことにした、林業から社会を考えてみるという1回目です。 古川さんのお話の中には、林業というものを資本主義という尺度で考えることの限界が散りばめられていました。 そもそも木が商品となるには、30年という歳月が必要です。 (これも誰でも学んでいることです。もちろん、北海道の下川町のお話で出てきたエゾマツ・トドマツなどは、もう少し周期が長いようです。) 30年間の維持費が最終的に30年後に回収されるというモデルと考えられます。 30年間の維持費を捻出するには、一本20000円で……
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2020年10月17日更新 投稿者 代表理事:澤 尚幸 林業を考える(プロローグ)
1 プロローグ 「日本の森に元気がない」 山を歩いて、そんなことを感じ始めたのは、この15年くらいのような気がする。 今年の夏から、建築家で林業に詳しい古川泰司さん、デザイナーとして活躍されている川村貞知さん、そして私の三人で、 Salon de ∫u ken(さろんですけん)というオンラインイベントのようなものを初めて4回目がすぎた。 Salon de ∫u kenのFacebook Page そもそもは、山梨県大月市の古民家「健康荘」をシェアして借り受けているメンバーなのだけど、コロナ禍もあり、なんとなく人恋しさもあって、こういうイベントでもやってみます……
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2020年6月14日更新 投稿者 代表理事:澤 尚幸 次世代ガバメント(小さくて大きな政府の作り方)を読む
次世代ガバメント(小さくて大きな政府の作り方)を読む。 ちょっと長文ですが、自分の感想もふくめてまとめておく。 いずれにしても、とても良い本だったので、行政という視点、国民として公に積極的に関わっていくという両面で、全ての人が読んで考えるために良い本だ。 歴史的に考えれば官僚機構というのは素晴らしかった。それまでの権力構造からできた統治機構とは異なり、ガバナンスに基づき公平公正を実現する組織づくりを目指したからだ。 ところがいくつかの課題が見えてきた。 ① 人間がやる以上ミスが起きる(バグ)。腐敗する。 ② 人々が多様化するにつれて要求に多様性が現れた。それを実……
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2020年6月8日更新 投稿者 代表理事:澤 尚幸 ポストコロナの世界:社会の既知と未知について考える 〜第一回:議論へのプロローグ〜
ポストコロナを考えるシリーズを始めました。 メンバーのお一人である周栄さんが、メンバーやゲストとして参加してくれた方々の議論をnoteとして記事にまとめてくれました。 周栄さんは、 なぜ、コロナウィルスは飲食店を殺すのか というnoteを書かれて脚光を浴びられましたが、 このシリーズは 「コロナウィルスは何を生かすのか」 ということを考える旅でもあります。 やや長文ですが、ぜひお読みください。 周栄さんの元記事のnoteはこちら(内容は同じです) はじめに 新型コロナウイルスの影響によって、否応無く社会の構造が変化しています。その影響は……
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2020年5月8日更新 投稿者 代表理事:澤 尚幸 高校魅力化は地域の魅力化のリトマス試験紙だと思う
教育=オンライン みたいな論調ばかりで、辟易してきたので、遅ればせながら、高校魅力化のバイブルを読ませていただきました。 実は、昨年2019年11月22日に、一般社団法人地域・教育魅力化プラットフォームの記事が掲載されました。 国内初、市町村の人口・経済への高校魅力化の影響が明らかに ~高校統廃合に伴い市町村総人口の1%が転出超過、高校魅力化により総人口は5%超増加~ https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000035136.html これを受けて、Facebookに以下の投稿をしたの……
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2020年5月6日更新 投稿者 代表理事:澤 尚幸 安定か固定か
人に会うことがリスクになる時代。 環境が変わる。 今、いろいろな補助や給付などの支援がある。 これを 「事業を変えていくためのモラトリアム」 と捉えるか、 「事業継続のため」 のどちらと捉えるか、 実は、このどちらに向かうかが、 Afterコロナ以降の持続性を決めるような気がしてならない。 ふと、安定と固定は違うなと思った。 自転車で走り続けるのが安定で、動かないのが固定だ。 事故に遭遇しそうな時、逃げるのが安定で、逃げないのが固定と考えれば、どちらにリスクがあるかもわかる。 安定している仕事、というのは、実は、走り続けて転けない仕事ということなの……
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2020年5月1日更新 投稿者 代表理事:澤 尚幸 Beforeコロナが透けて見える
「Afterコロナは、Beforeコロナをオンライン化で実現する」 みたいな議論にならないように気をつけたい。 一斉休校になってから、いきなり 「オンラインの仕組みがない」 「勉強が遅れる」 「9月入学がいいじゃないか」 などと慌てふためいているが、 戦争の時期などまともに勉強ができていたとは思えないけど、その時期の人は勉強ができず、知能が落ちていた、などという話を聞いたこともないし、 身近な例では、東日本大震災に被災したみなさんには、勉強できない期間もあっただろうけど、それはどのように措置されたのか、、、 あるいは、そもそも、登下校に時間がかかるところとそうでないと……
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2020年4月25日更新 投稿者 代表理事:澤 尚幸 「算数から数学へ」を読んでわかったこと
宇沢国際学館の占部まりさんから、宇沢弘文著「算数から数学へ」をいただいた。 宇沢先生が、子供達のために書いた数学の入門書。 絶版になっていて、なかなか手に入らない。 これまで、島根県江津市の市民大学「GO▶︎つくる大学」の「数学学」の講座などで、 数学は計算することではなくて、「ものの考え方だ」 だから 「算数と数学は違います」というお話しをさせていただいた。 そうは言うものの、自分の中で、完全にこの話がストンと腑に落ちていたか、というとそうでもない。 そういうもやもやが、今回この本を読んで氷解した。 正直に言うと、そんなものだ。 ところで、今回、この本……