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2021年3月26日更新 投稿者

今日的観光評論(その3)「東京アンダーグラウンド」

今日的観光評論3作目は、我々が普段目にしない地下のもっともっと下へ・・・・・テーマは、

東京アンダーグラウンド

近年、「インフラツーリズム」という分野の観光が流行っている。ダム、橋、港、歴史的な施設や遺構等、各種インフラ施設の見学が観光として成り立っている。昔風に言えば、小学生の社会科見学。皆さんは、地域の工場や商業施設、巨大な構造物等を見たことがあるはず。一昨年に封切りされた「翔んで埼玉」の映画ラストで主人公(ガクト)演説していた地下神殿のロケ地は、埼玉県春日部市にある「首都圏外郭放水路」。申し込みをすれば誰でも見学ができる。インフラツーリズムを推進しているのは、国土交通省。大きな投資を伴う社会基盤である道路、ダム、港、運河等への理解促進をするのには、「インフラツーリズム」は、いいかも。

▶虎ノ門アンダーグラウンド

虎ノ門ヒルズ(森ビル・2014年)、虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー(2020年)、虎ノ門ヒルズ・レジデンシャルタワー(2021)、虎ノ門ヒルズ・ステーションタワー(2023年)へと虎ノ門エリアは建設ラッシュ。ほぼ森ビル一色。テーマは、「グローバルプレイヤーが住み、働き、集う「国際新都心・グローバルビジネスセンター」形成の起爆剤として」だそうだ。地上にある環状第2号線「通称マッカーサー通り」を虎ノ門ヒルズの地下部分に取り込み、地中にある地下鉄「日比谷線・虎ノ門ヒルズ駅」が開業し、アクセスは俄然良くなった。(2020年秋視察)
1955年、虎ノ門付近に「森不動産」として誕生、1960年代以降「ナンバービル」を建設し本格的な賃貸オフィス事業に参入。ラフォーレ、アークヒルズ、六本木ヒルズ、表参道ヒルズ、上海等へ地域を変貌させてきた。おしゃれでファッショナブルとかヒルズ族など地域密着型のまちづくり。住友不動産、三井不動産等とは全く異なるまちづくり。

▶渋谷駅アンダーグラウンド

渋谷は5つの街区で再開発が行われている。その変容はすさまじい。渋谷ストリーム(旧渋谷駅南街区)、桜丘口街区(宮下公園周辺)、渋谷フクラス(東急プラザ)、渋谷ヒカリエの5つである。先日は、宮下公園へ行ってみたが、天にも伸びる高層ビルばかりで、どこにいるのかさえも忘れてしまう。昭和のオジサン達は少し覚えておいでかと思うが、東急文化会館にはプラネタリウム、その昔はケーブルカー、渋谷に行くたびにハチ公像が位置を変えるなど、渋谷は大変貌を遂げている。
渋谷駅に乗り入れる鉄道だけでも、JR(山手線、埼京線、湘南新宿ライン)、地下鉄(銀座線、半蔵門線、副都心線)、東急(東横線、田園都市線)、京王(井の頭線)など入り組んでいる。我々は地上の変貌には当然敏感だが、渋谷の地下は地下道でしか判らない。さらにその下のアンダーグラウンドへもぐってみたら驚いた。渋谷川の川底の下、各種鉄道の下や側面、一言で言えば、どうしたらこんな風に穴を掘ることができるんだろうという大きな疑問。あまり詳しくは書けないが、東京の拡大は上だけではなく、下にも確実に広がっていた。(2017年視察)

▶都市の膨張と観光

我々は目に見えるもののインパクトが大きいほど「行ってみたい、登ってみたい」と思う。スカイツリーに登れば東京が一望できる。房総半島から伊豆半島までも可能である。巨大なダムの放水を見てみたい人に対して「観光放流(季節と時間を決めて放流する)」。また、ダムカードを作成配布、近隣の食堂等とのコラボで「ダムカレー」なるものも楽しめる。こうしたインフラの陰にそっと掘り続け、交通インフラやエリア開発に地味に寄与しているのが「アンダーグラウンド」である。たまにはじっくりと足元も見てみよう。人生も同じかな・・・。

インフラツーリズム・国土交通省総合政策局
https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/region/infratourism/about/
渋谷駅周辺開発プロジェクト・東急株式会社
https://www.tokyu.co.jp/shibuya-redevelopment/index.html
虎ノ門ヒルズエリアプロジェクト
https://www.mori.co.jp/projects/toranomonhills_area/
SHIBUYA+FUN PROJECT
https://shibuyaplusfun.com/future/district/index.html

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