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2021年4月30日更新 投稿者

都会と田舎の境界(その4)「家庭菜園と生鮮食料品」

都会と田舎の境界、4回目は毎日誰もが口にするものについて。テーマは、

「家庭菜園と生鮮食料品」

▶自給自足

埼玉の里山へフィールドワークに行った時に、都心から通っている学生が「あっ、このお家は家庭菜園をやってるんですね」と。微妙な場所で、昔でいうところの第二種兼業農家のお宅とおぼしき建物で、畑に囲まれていて庭先に葉物やトマトを栽培していた。次に「えっ、この垂れ下がっている緑色の丸いのは何だろう?」、「これはキウイフルーツかな」、「え~キウイフルーツって、こんな風に生えるんですかぁ?」「わ~、これってスイカですか?」とか。感激してくれて連れて来た甲斐もある!

昔、都会の子供達が切り身の魚が海をそのまま泳いでいたり、刺身の名前は知っていてもその原型の魚が浮かばない、などの話を聞いたことがある。蒲鉾なんぞは、そのまま海を上手に泳いでるのを想像して、「蒲鉾だけに泳ぎが板についている!」と言ったとか言わなかったとか・・。学生にこの種の話をしても「ポカン?」とされることが多いので、最近は止めている。閑話休題。本日は、里山の話なので野菜や穀類等の話。ガチの農林水産業出身でなければ、一般的には製造業やサービス業等の給与所得者の家庭に生まれ育ち、買い物はスーパー、コンビニ等で食料を購入するという生活が当たり前である。従って、製品までのプロセスや製品の原材料の形、生育状態を想像するのは困難であろう。また、青果売り場にある製品は一年中同じものが陳列されており、季節感も生産地もあまり気を引かない。「旬」なんていう漢字も意味を知らなくても全く困らない。その代わり「オーガニック」、「朝採れ」、「産直」等には反応するのではないだろうか。そんな流通やマーケティングをしているので製品には罪はない。

 

 

 

 

▶家庭菜園

 コロナ禍にあって移動の制限、働き方では在宅、はたまたワーケーション、ブレジャーといった言葉に人々が戸惑いながら、更には会社に行かないのなら「都会ではなくて田舎に住んでもいいじゃん」てなことも選択肢が現れた。それらに呼応するように「東京から一番近い田舎!」というキャッチコピーで移住を勧める自治体も増加中である。ここ埼玉北西部にある比企郡(旧武蔵国)には、ときがわ町、小川町、毛呂山町等7町があり、東武線、JR八高線等交通利便性も高く、近年では移住や二地域居住者も増加しているという。移住後に通勤する人、在宅で集中して仕事をする人、カフェやパン工房を経営したり多様な生活者が増えているそうだ。家庭菜園をし近くの農家さんからおすそ分けや、道の駅での買い物や農業の手伝い等をする広範囲な年代の元都会暮らしの人々が暮らしている。必要があれば池袋等の都会へ1時間もあれば移動可能で、目の前には五穀豊穣の里山、奥山が広がる。

何の不便もなくコロナ禍での緊急事態やまんえん防止等の要求にも応えられる生活である。米、豆、葉物野菜、根菜、果物など身近にあることを感じる子供の増えてくると、豊かな感受性をも更に醸成されるのかな・・・。都会暮らし、田舎暮らしの差は何だろうと思うこと多しこの頃。

 

 

<参考>

基本統計用語等・農家等分類関係・用語の解説

https://www.maff.go.jp/j/wpaper/w_maff/h22/pdf/z_all_8.pdf

ときがわ町公式ホームページ

https://www.town.tokigawa.lg.jp/Info/1014

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