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2021年5月21日更新 投稿者

ティーチャーのボヤキ(その5) 「対面とオンデマンド」

 

人がスピーチをする時間と文字数の関係は、1分間に300文字程度。三分間スピーチで800~900文字程度が目安だそうだ。

すると10分間の話をするには、3,000文字前後だから原稿用紙換算で「8枚×400文字」程度だな。

ということは、休みなくじゃべりっぱなしで1コマ90分の講義をするには、「300文字×90分=27,000文字・原稿用紙換算で68枚程度」になる計算だ。

文字数というところから比較すると結構なボリュームがあるので「卒論」との比較が出来るかと思い、探してみると早稲田大学が親切なことに、学部学科ごと一覧がついていた。

最少でも20,000~最大で35,000程度。単純な文字数だけの比較で言えば、1コマ90分の講義原稿を用意するとしたら、やや少なめの卒論を毎回用意することになる。

 

 

時間が余る問題

 

何故、こんなことを考えたかと言うと「対面」と「オンデマンド」で同じ教材を使ってのオンデマンド用収録すると、収録の時間が余ってしまうことになる。

理由は簡単、対面の場合には、学生の顔やうなずきを見ながら、時には話が脱線したり板書をしたりで、横道に逸れる時間もあるため、実際の講義による話時間は案外少ない。

オンデマンドで休憩時間もなく、淡々と講義をするとしたら「講義をする私」もつらいが「講義を聞く学生」はもっと辛いと考える。

我々は対面講義では講義中に余計なことをいったり、質問をしたり色々とよく言えば工夫、悪く言えば適当なことを言って時間を稼ぐことができる。

オンデマンドでは黙っていると放送事故、物語に沿って映画のセリフを吹き込むわけではない。

そうすると「講義中は話し続けること」になる。こんなに面白くない話が90分も続くのは双方にとって大変な苦行である。

 

 

 

 

 

オンデマンド講義スタイルの確立

 

色々な先生方の工夫を聞いて参考にしあて、ついに自分のスタイルを作った。

1コマの講義90分を、いくつかのコーナーに分けて構成し収録する。

この形式を作ることで収録と放映(講義)は、聞きやすくなった思う。以下のような要領で構成してみた。

  • (10分)00:00~00:10   イントロダクション
  • (20分)00:10~00:30   テーマⅠ+考察
  • (20分)00:30~00:50   テーマⅡ+考察
  • (20分)00:50~01:10   テーマⅢ+考察
  • (10分)01:10~01:20   振り返り、課題、考察
  • (10分)01:20~01:30   まとめ

こうすることで、各パートは一発収録、聞くほうも分割で聞くことが出来る。

オンデマンドの特性として「視聴可能時間に、好きな時に好きなだけ講義視聴可能」が売り。

静止画像を利用して「〇〇〇について課題について考察しよう!」パートごとに中扉をつくり学生に考えさせる「アクティブラーニング」の

時間にしたり。ふ~。

 

 

 

模索は続く

最後にひとつ大事なこと!

 

結局、これらの構成・編集するためには作成した資料に対して二倍の時間を掛けてPPTを再編集。

収録中は余計なことは一切言わず、個別の一発撮り、自分で収録・編集して大学のサーバーへアップ等、結構な時間がかかることに気が付いて、ティーチャーはボヤくことしきり・・。

しかも対面とオンデマンドが交互にある講義の場合、講義ストーリーの繋がりの問題があるのでまとめて収録が出来ない。やれやれ。模索は続くのである。

 

 

 

 

<資料>

「NHK式7つのルール」DIAMOND on-line記事

https://diamond.jp/articles/-/56483?page=3

2017 年度 卒業論文・卒業研究の書式(早稲田大学)

https://www.waseda.jp/fedu/edu/assets/uploads/2017/04/b52c81f3907e25df04385f5232440c5e.pdf

 

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