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2023年12月18日更新 投稿者

“問題解決の支援”を語る

少し前になるのだけど、山形市の井上貴至(いのうえたかし)副市長にお誘いを受けて、井上さん主催の朝会
「おっはークラブ」でお話をさせていただいた。

地域づくりのエキスパートとして高明な井上さんの手前、地域づくりのお話しをするのもどうかと思い、
お誘いを受けていたものの、何をお話しするか考えあぐねていた。

私自身は、弊社の代表以外に幾つかの仕事を兼業させていただいているけれど、基本に据えているポリシーがいくつかある(というか、それに最近気づいたのだが。。。)

まず一つ目は、

対症療法のような一過性なものには興味がなく、じっくりと時間をかけて体質改善をする、そういう仕事に興味があるといこと

である。

すごくシンプルにいれば、体力が落ちたら栄養ドリンクを飲むのが前者であり、体力づくりに勤しむのが後者、ということだろう。地域づくりでいえば、一過性のお祭りで「まちが活性化したような気がする」のではなく、地域住民主体のまちづくりを支援して、持続的なまちの活気が促されるような、そういう仕組みを築くのが、後者、ということになるのだろう。

一過性のものというのは、定着しないので、結果として、時間のロスになる。それでも気分がいいので、何か良くなったような気になる。つまり、麻薬中毒のようなものなので、

「それが一過性のものである」

ということに気づいていることがとても重要なのだ。

一方で、後者は、例えば、勉強する、運動する、あるいは、成人病であれば食事制限が必要になるなど、「辛いこと」が多い。それでも、根本的な解決になるので、明るい未来につながっている。

(当日のスライドの一枚)

この根本的な解決のためには、根本的な問題、課題を見出すことが実はとても重要になる。つまりは、「問い」こそがとても大切だということだ。そして、「問い」が見つかった時に、それを解く(解決する)ことが必要になる。この時、私が大事にしているのが二つ目のポリシーになる。

それは

解は三種類あるということだ。
解あり、解なし、わからない

実は、解なしという解もある

解なしにもかかわらず、さも解があると突き進む。わからないにもかかわらず、突き進む。。。当然解がないのだから、解けるはずがない。わからないのだから解けるはずがない。

日本は、この解なしでも突き進むことをヨシとする文化が根底にある。インパール作戦である、神風、、、、である。

よく、「気合が大事!」という言葉を耳にする。この時に大事になるのが、

しっかり解こうよ

ということに尽きるのだ。わからないなら、解法を見つける努力を続けるしかない。そして解なしの場合には、

「条件が整っていないから解けない」

ことが多い。つまり、「解けるための条件」を見つければ良いのだ。

そのためには視野を広げてみることがまずは大事だろう。
(ポアンカレ予想を解いたペレルマンは、位相幾何学の問題を、微分幾何学と物理学の手法を使って解いた)


以前、江津市の市民大学「GO▶︎つくる大学」で数学学の講座を持ったことがある。

その時に、出した問いが

「東京と大阪の最短距離は何か?」

というものだった。

これ、条件によっていくつかの答えがある。そこに気づく人は少なくないだろう。その場で、何種類もの答えが出てきて、結構面白いワークショップになった。

平面と考えるか、地球なので球面と考えるか、地球は球体と考えるか。。。どうだろう、、、ロケットで地上から宇宙に飛び立つ自分を思い起こしてほしい。

地上から離れるにつれて、見えてくるものが異なり、その結果、距離の見え方が違ってくる「感覚」を覚えないだろうか?

別の見方をすれば、数学的には「距離とはそもそも何か?」という根源的な問いにもつながる。

距離を測るという算数の世界から、構造を持つ数学というものへの展開を知る、良い機会になったりもする。(その場には、高校の数学の教員も来ておられて、そういう気づきがあったら良いなぁ、と思いながら話をしていた記憶がある)

 

 


山形での朝会は、とても短い時間だったけど、これまでの私の経験を踏まえて、この2つのポリシーをお話しさせていただいた。果たして役に立ったのかはわからないけど、終わってから、1時間半近くの質問時間が続いた。

質問は相互の学びになる。私自身もとても勉強になる時間をいただいたことに感謝している。

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