2024年2月6日更新
「政策決定における数理的思考の可能性」(日本オペレーションズ・リサーチ学会秋季研究発表会)
概要
日本オペレーションズ・リサーチ学会より依頼を受け、「オペレーションズ・リサーチと地方創生」という文脈で、研究大会の基調講演をさせていただきました。
地方創生におけるデータサイエンスの実情をお話ししつつ、数理的思考を行える専門家が政策決定の場に参画することを促す内容でお話ししました。
地方創生政策の初期に「まち・ひと・しごと総合戦略」「人口ビジョン」が作られたように、人口動態の見える化、そしてRESAS(地域経済分析システム)の構築により経済状態の見える化が推進された背景がある中で、データ・エビデンスに基づく議論が進められてきました。
他のデータとの統合による多角的な分析など高度な手法がデータサイエンスで必要となることは当然ですが、一方で、現存するデータでわかることには限りがあります。
まずは適切なデータの入手・適切な分析が必要ですが、実装していくためには、専門家ではなく地方創生に関わる行政や住民の協力が不可欠で、こうした方々との協働が必要になります。
数理的スキルをお持ちの専門家の方々が、専門家としての視点だけでなく土壌づくりにも関与してほしい、そうした思いでお話しさせていただきました。