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2021年3月16日更新 投稿者

ティーチャーのボヤキ(その3) 「フィールドワークと学割とピッ!」

今回も学生とのやりとりから、気付いた驚きをティーチャーがボヤキます。3回めテーマは、

「フィールドワークと学割とピッ!」

ゼミで山梨県石和温泉へ行くことになった。テーマは、川などの水辺を活用した観光の開発と首都圏近隣にあるちょっと元気のない温泉地域などの活性化を議論する目的である。観光系ゼミなので、期日の設定、往復の交通、現地での行動予定、市役所などへのヒヤリング項目、現地でのグループワーク等準備は沢山ある。宿泊費の補助は若干あるが、往復の旅費は自前である。古来から学生は貧乏である。現代も裕福ではない。但し、昭和の大学生とはやや異なりいわゆる「貧乏旅行」の意味合いはやや異なる。

▶学割はどこで
せっかく学生しかもらえない学割を使うと少しでも安い!と思い、念のためJR中央線の新宿駅・石和温泉駅の営業距離を見ると「117.5km」であった。実施期日は夏休みにはいった直後の予定なので、コース企画の勉強を兼ねて現地集合。自家用車は不可、バス又はJRを利用で「石和温泉駅前集合」とした。早速グループに分かれて喧々諤々、集合する駅は何線か、どこから乗るか、経路はなど。「学割を使ったほうが少しでも安くいけるぞ!」とアドバイス。「学割ってどうやって貰うんですか」、「学生課だろ!」などなど。
地方からきている学生は、帰省等での利用があるため使っているようだ。「先生の頃は周遊券で全国いったもんだ。今は、青春18きっぷ位しかないようだけど・・・。」

▶ピッとする
東京出身の学生が、次のような質問をして、徐々に怪しくなってきた。
「私は新宿から中央線で行きま~す、学割はどこで使うんですか?」
「出発駅のみどりの窓口とかで購入時に学生証と学割を出すと割引で買えるから」
このあたりから妙な会話に・・・
「え、でもそんなところ通りませんよ、行ったことないし。駅はいつも”ピっ“だし」
「判った、池袋経由で新宿にいって中央線に乗ればいいんですね!」
「経路はいいけど、それだと学割使えないけど」
「先生、大丈夫です。ちゃんと学割握りしめていくから!」
「おいおい、それじゃあ割引にならないし・・・。」

彼女は東京出身で地方には実家や親戚もなく、遠出をしたことがないらしい。従って、新幹線も指定席等も今まで自分で買ったことがない。電車の切符は、ほぼほぼ交通系のPASMO等で間に合わせているので、せいぜい近隣の自販機で近隣の切符を買うことしか経験がない。結果、駅の窓口で切符を購入したことがないということであった。

通いなれない場所で目的地までの切符を購入することは、路線や駅名、乗り換え等が不案内なため、結構なストレスが生じる。海外でも同様。アジア諸国では、駅ナカの販売機前で迷っていると、「お手伝いしましょうか!」と声を掛けてくれる国があって助かる。デジタルになったお陰で、非接触型で決済も買い物もできて便利だが便利すぎて何も考える必要がなくなるのも困ったもんだ。SUICAは2001年運用開始、交通系ICカードとしてスタート、他のICカードとの相互利用、電子マネーにも利用拡大。ということは、彼女達のように物心ついてから切符を買ったことのない人々が主流になるんだなぁ。ニッポンはどうなる!、とボヤいてしまった。

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