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2021年3月4日更新 投稿者

都会と田舎の境界(その2)「コンパクトでスマートなシティーとコンパクトビレッジ」

コロナの影響によって仕事や生活状況が変化している中、都市エリアと田舎エリアへの考え方も変化しているようです。都市と田舎の境界 2回目テーマは、

コンパクトでスマートなシティーとコンパクトビレッジ

少子高齢化、都市への一極集中、持続可能な都市経営等「限られた資源の集中的・効率的な利用で持続可能な都市・社会を実現」として将来あるべき都市や生活について「立地適正」や「交通手段の確保」「公共交通ネットワークづくり」など、色々と公共政策に取り組んでいる。

最近では、富山市などの都市計画で有名な「コンパクトシティー」がある。これは、都市空間の全体構造(土地利用)をまとまりのあるコンパクトな形態に変え、活気のある中心市街地を維持・形成することであるとしている。シンプルに言えば、移動と土地利用の効率化であろうか。過密にならないように病院や学校等の公共施設の郊外化、公共交通を車からLRT等へ移転、分断することで混雑等による環境への配慮等が可能である。衣食や職住の接近は利便性が高いが、都市生活者ではない地域住民、農林水産業等に従事する高齢者など必ずしもすべての住民が望む都市や地域ではない。

次に来たのは「スマートシティー」。ICT(情報通信技術)やAI(人工知能)などの先端技術や、人の流れや消費動向、土地や施設の利用状況といったビッグデータを活用し、エネルギーや交通、行政サービスなどのインフラ(社会基盤)を効率的に管理・運用する都市の概念。環境に配慮しながら、住民にとって、よりよい暮らしの実現を図る。都市の規模により、スマートタウン、スマートコミュニティと言われることもある。(知恵蔵より)

エネルギーからスタートして、人流、流通、移動、様々な利用状況等をICTやビッグデータを駆使して効果的、効率的に活用する、といったところだろうか。このところのコロナ禍で遠隔、在宅等の生活が慣れっこになったため、場所は必ずしも重要ではなくなってきたようだ。大手人材派遣会社は淡路島へ会社ごと移住、大手エンタメ会社は富士の裾野へ同様に移住する計画らしい。「遠隔、テレワーク」など、多くの業種でそうせざるを得ない環境になっており、多くの業種業態で創意工夫がなされている。以前であれば、有り得ないと思われていた「在宅勤務」製造業や営業等の職種でも可能になりつつある。無理して移動する必要もなくなり、中心市街地に居住することは条件でも無くなってきた。

都市と田舎、地方と都市、至近距離、交通利便性、集まるという事など従来の「田舎と都会の境界」は曖昧になりつつあるのかな・・・。私の好きなバス停が東北の片田舎にあった。ここを境に、定期バスが運行されていて、ここは「田舎と都会の境界」がかつてあった、結界の如く。日に一本だけのバス時刻表だったが、数年前に撤去されてしまった、残念。無くなる直前に娘と訪れて写真を撮ったのが最後かな・・。この先にある集落は、藤原時代からある古い集落で、最先端技術などなくても共助、互助、自助で成り立つ素敵な田舎である。

 

▶田園都市
産業革命後にイギリスでは都市集中による環境悪化、遠距離通勤、失業など様々なことに悩んでいた。都市計画家のハワードというおじさんが「新しい都市形態・田園都市」という考え方を提唱。人口3万人程度の限定された規模の、自然と共生し、自立した職住近接型の緑豊かな都市を都市周辺に建設しようとする構想。これが近代的な都市計画の考え方の基礎であるらしい。立場としては田舎の人というより、都市の立場の人のようである。

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