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2021年1月30日更新 投稿者

都会と田舎の境界(その1)「スタバとスナバ」

最後のシリーズは、どこからが都会でどこまでが田舎なのか・・・「都会と田舎の境界」について、訪れたことのある地域や場所を通して、見てきたこと聞いてきたことをもとに考察してみたい。1回目は、

「スタバとスナバ」

2015年5月、47都道府県で唯一出店されていなかった「スターバックス」が鳥取県にオープン。鉄道の玄関口、JR鳥取駅前にである。全国で千店舗を超える出店をしているスターバックスコーヒーは、何故に鳥取県へ進出しなかったのか。こうした顧客と直接対対面しながらの商材では、出店する立地は重要なマーケティング戦略が必要であろう。特に重要なのは市場規模、この場合は人口であると飲食系の専門家は指摘している。鳥取県は60万位人弱と都道府県では唯一60万人を切っている。その他、人口密度、嗜好品の購買志向、外食傾向など色々と検討すべきことは多いそうだ。しかしながら、ここでは、「何故出店しなかった!」ではなく、スタバが出店しない、又はスタバが無いことがどういうことなのかを考えたい。

鳥取県の平井知事はダジャレで有名だそうだ。「鳥取にはスタバは無いが、日本一のスナバ(砂場)があります」という自虐的なCMが流れていた時期があった。スターバックスと鳥取砂丘をもじったものである。そのお蔭か、鳥取駅前には本当に「すなば珈琲」なる店も出来た。即、行って見た。店内は普通のコーヒーショップで、明らかに観光客と思しき客が数組(それを観察している小生も観光客であるが・・)

 

長野県には、2003年に出店したそうだが、一年以上に渡り各界から「長野県にはスタバが無い、是非出店を!」と陳情され、決断したそうだ。しかも、初日売上の世界記録を更新したそうだ。当時は、スターバックスのようなカフェの有無が「田舎と都会のバロメーター」と言われていた気がする。今でも変わらない会話を学生とする時がたまにある。コーヒーショップで言えば、その比較は「ドトールとスタバ」だった時期があったが、最近では、郊外型のドライブスルー付きのスタバも多く、必ずしも都会的なカフェというより、むしろ田舎に立地という印象もある。店舗展開もある種の飽和状態、また「イノダコーヒー」や海外からは「ブルーボトル」を始め新種のコーヒーショップや、大型商業施設等には相変わらず「日本初進出!」などの店が続いている。

地方の観光地やその周辺には、いわゆる都会から移住してきた人々による新たなカフェが数多くオープンし、いわゆる「オッサレーなカフェ」「外資系カフェ」などが持て囃されることも少なくなった感がある。最近目立つのは、少し変わった個性的なカフェと、個性的な店舗名の「高級食パン屋」かな。しかし、ある時期までは確かに「スタバの有無」が「田舎と都会の差・境界」であったことは間違いない。

 

スターバックスコーヒー・プレスリリース(2003/07/02)
https://www.starbucks.co.jp/press_release/pr2003-282.php

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