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2024年10月15日更新 

教育改革サポートの取り組み(西会津町)

概要  

西会津町は、平成5(1993年)から「百歳への挑戦」をスローガンに健康づくりに取り組み、平均余命の伸長を実現したという経験を有する町です。 

「次は、子どもたちだ!」

ということで、新たに「0歳からの挑戦」をスローガンに、子どもたちの教育への新しいフレームワークを構築し、その実現による魅力的なまちづくりを進めることが目標となりました。 


西会津町には、1校ずつの小中高が設置されています。


2017年度時点で、すでに専門家支援によるアントレプレナーシップ教育が取り入れられ、元教師など教育経験のある町民による教育サポートが実現されるなど、先進的な取り組みが行われており、加えて、平成16(2004年)に開村した西会津国際芸術村は、アーティストイン・レジデンスの先駆けとして多くの海外アーティストが滞在し、国内はもとより海外にも開かれた文化が少しずつ醸成されるなど、地域文化を礎にしつつも、いわゆる関係人口構築を進めているという素晴らしい特徴を有していました。 

こうした教育や地域のすでに先進的であった特性を踏まえつつ、2017年度第4四半期の3か月間で、関係者ヒアリング、先端的な教育を進めていた他地域のヒアリングなどを実施し、西会津町が持続的に成長することを目標とする教育戦略の策定の支援を行い、その後の2018年度は、教育戦略の具体的な実装を実施しました。

ヒアリングを重視した理由は、先ほど述べた地域特性が特定の住民に依存しているという仮説があり、より多くの住民にその特性を広げていくことが、将来の地域や日本を支える人材を作る(公民教育)ことに繋がり、それが教育の課題を解決する必須条件になると考えたからに他なりません。

 

 手法  

すでに新たな教育への着手がなされていたことも踏まえ、まずは実態調査として

①教育委員会

②学校関係者

③支援をおこなっている町民や事業者へのヒアリング

④総合戦略の策定を通じて抽出された町民の期待

などの情報を収集し、教育に関わる人々やリーダー的な町民の課題意識を抽出しました。 

これらに、学校教育において先進的な取り組みを実施していた埼玉県戸田市教育委員会等のヒアリングを通じて得られた先進事例を取り入れていくこと等により

①学校教育の教育システム

②公教育以外での多様な経験の場づくり

③子どもたちの目標となる大人も含めた挑戦

という、学校教育から地域の環境整備までを包含する俯瞰的な教育戦略を構築しました。 

 

なお、このような、学校教育と地域での公民教育の考え方は、戦後すぐの1946年にすでに提示されていて、決して目新しいものではないということです。

*「公民教育の場は第一に家庭であり、第二に社会であり、学校はむしろ公民教育の補足的部分を担当するものである」(寺中作雄「公民教育の振興と公民館の構想」『大日本教育』1946年1月号)

 

展開  

この教育戦略に基づき、2018年度には、教育長に戸田市教育委員会経験者を招聘し、

  • 戸田市との教育についての連携協定の締結による外部からの魅力的で先進的な教育手法の積極的な導入
  • 埼玉県学力・学習状況調査の導入による、教育の質のエビデンスベースでのチェック
  • 福島県立西会津高校の魅力化

などが順次実施されることとなりました。
また、先進的な教育手法としてタブレットなどの
ICTインフラが早期に配備したことから、コロナ禍における一斉休校においても、自宅での学びなどがいち早く実現されることとなりました。 

 

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