2023年6月19日更新
【講師事例】まちかけ!まちづくり講演会
まちづくりでは「協働」という言葉がよく使われます。
「協働」はこれまでの行政事務を一部住民に依頼する、という言葉として使われることが多いのですが、我々は「協働」を住民と住民の「協働」と捉えています。
今回ご依頼をいただいた「NPO法人まち×学生プロジェクトplus」(森勤理事長、通称:まちかけ)は、神奈川県横浜市の六角橋で神奈川大学の学生と地域住民の協働によるまちづくり「まち×学生プロジェクト」が、2023年にNPOに進化してできた団体です。
この「まちかけ」の新たな取り組みとして、外部から講師を招き、団体のメンバーだけでなく広く参加者を募って開催する「まちかけ!まちづくり講演会」を企画され、記念すべき第一回の講師として、代表の澤にご依頼をいただきました。
オーダーはなかなかハードルの高い内容でした。
①大学生が授業を通じて地域に関わることは多いが、我々の取り組みは一般的なものとは異なる位置づけであり、そのメリットを明らかにしてほしい
②大学生が卒業した後も活動に参加してもらうことの意義のようなものを伝えてほしい
③一人一人がどういう視点で活動していったら良いのか、特に大学生を中心とした若い人に将来の夢が持てるようなことを伝えてほしい
私たちは、講演をお引き受けする際にはいつも、事前に事務局の皆さんとみっちり相談する時間をとるようにしています。
この時間を取ることで、ご依頼される方々の「真の希望」を聞くことができますし、単に「講演してもらったら何か学びがあるだろう」という軽い気持ちではなく、「本当に聞いてみたい」という時間につながると思っているからです。
今回も綿密な打ち合わせを行い、当日は1時間の講演と1時間のワークショップという構成にすることとしました。
若い人をターゲットにしたオーダーでしたので、最近の若い人々が「常に正解を探そうとする」という風潮が強いのではないかという懸念を持っていた澤は、この機会を通じて「もっと皆さん自由でいいんですよ」ということをぜひお伝えしたいと考えました。
そんな気持ちから
「正解ってなんだろう?」
「問いによって正解は変わるよね」
「一人一人の個性で問いも変わるよね、正解も変わるよね」
というようなステップで、私たちがこれまでに福島県西会津町で5年渡って実践してきた「協働のまちづくり」のエッセンスである、”一人一人のやりたいことからまちづくりを考える”、そんなストーリーを構成し、盛り込みました。
後半のワークショップは、前半の講演を踏まえて、皆さんお一人お一人がストーリーテリングを利用して、「自分」を再確認する貴重な時間になりました。
終了後、「一般的に”まちづくり”についての講演というと『成功事例の羅列』が多いですが、全然違う切り口だったのでとても新鮮でした!」というお褒めの言葉もいただき、大変充実した内容となりました。
多くの自治体では大学進学をしている10代後半から20代の人口がごっそりいないことが多いのですが、今回の”まち”は学生さんたちの人口比率が高い、真逆のケースでした。そのため、ワークショップも、終了後の意見交換会もこれまでにない新鮮なやりとりになりました。
私たち自身も、大学生と地方の住民の「協働」は色々な形で行われているものの、それを日々実践できるとても贅沢な環境が「大学近隣自治体」に存在する、そんな貴重な学びを得ることができました。
当日の状況については、以下の、タウンニューズ神奈川区版の記事、ご依頼いただきましたNPO法人 まち×学生プロジェクトplusの記事を、ぜひご覧ください。