2017年9月4日更新
【対談】「農業女子」という働き方(前編)
農業というと男性の仕事のようなイメージを持ってしまっているが実際はかなりの数の女性が農業に従事している。これまで「農家の嫁」という扱いでしかなかった彼女たちが今、農業の魅力を伝える伝道師として、かつ農業をビジネスとして成り立たせるノウハウを持った存在として注目されている。
今回は、「女性未来農業創造研究会」理事の岩崎麻佐子さんをお招きしました。
農業女子とはどのような活躍をしているのか、男性社会の中にあり、かつ閉鎖性の高い農村であるにもかかわらず、(今注目されている農業女子といわれる)女性たちは生き生きと輝いて農業に従事し、その魅力を体現しているように感じます。
また、様々な企業の事業企画に関わってこられた岩崎さんのこれまでの経験と農業女子と呼ばれる女性たちとの交流を通して見える男女の働き方さらには組織のあり方まで幅広く語ってもらいました。
岩崎:岩崎 麻佐子さん(女性未来農業創造研究会 理事 / 株式会社三陽商会 経営統括本部 経営企画部 担当課長)
澤:澤 尚幸(一般社団法人Community Future Design 代表理事)
どのようにして農業に関わることになったのか?
澤:今日は特になにも決めていないのですけど、岩崎さんに「農業女子」の話を語っていただきたいと。
岩崎:大丈夫かな?
澤:みなさんざっくばらんに話していただいておりますので…ラフに話していただいて結構です。宜しくお願いします。
では、早速ですけど、どこで岩崎さんは、農業女子に関わることになったのでしたっけ?
岩崎:えっと、サブウェイです。サンドイッチの。サブウェイに勤めていたときに野菜のブランディングをすることになったんです。それがきっかけで。最近アパレル企業に転職したのですが、女性未来農業創造研究会にボランティアで今でも活動に関わっているんです。
澤:「野菜の」サブウェイという話が出てきた時ですね。クリエイティブ集団の「TAKIBI」がそういう提案をした、っていうのを聞いたことがあります。
岩崎:サブウェイは、百数十店舗から一気に四百七十店舗近くに拡大していくことになるのですが、上陸してしばらくして行き詰っていた時期に、いろいろ検討したんですね。そもそもなにがサブウェイの魅力?と考えて、それは「野菜」だろうと。じゃあ、野菜のサブウェイというブランディングをしましょうとなったわけです。いろいろ野菜に関わる施策をはじめて、野菜というからにはちゃんと野菜について語れないとダメでしょうと議論して「語れる野菜」をと。そのあたりで私は関わったんですね。
澤:なるほど。そこで野菜、ひいては農業に関わることになったわけですね。その前は花屋さんですものね。
岩崎:ええ、そうです。花屋さんのあとに、こうして野菜に関わることになって、農業に関わっていくことになりました。
澤:ふむふむ
岩崎:で、農業に関わっていくと、農業の人口って男女で半分半分、女性が約半分なんですね。たまたまご主人が農業やっているところに嫁いだからとかが多いんですけど、でも、たまたまでもせっかく農業に従事しているんだから、だったら積極的に女性も職業のひとつとして選択したり、女性がいることでこんなに雰囲気が変わるんだ、業績もよくなるんだということを少しずつ知ることになって、それなら、農業でも女性が活躍できるってことをもっと知らしめたいよねって人たちがいたのが、女性と農業に関わることになったきっかけですかね。その後いろんな知己を得て、勉強会なんかはじめて…
澤:それで女性未来農業創造研究会第一回のシンポジウムは去年でしたっけ?
岩崎:いいえ、第一回は2014年です。
そのシンポジウムで、ある農業女性に話してもらったんです。そもそも一口に農業と言っても作るだけじゃなくって、当然、販売もしなくてはいけないのだけど、その方は売り先はもうすでに決まっている。その野菜を作るだけを独立して仕事にしている女性です。女性の細やかさを体現しているというか、植物の変化を早めに察知し、育てるというのは女性本来向いているのかもと。また、理系出身ということもあり、エクセルシートに細かく、何キロ、何グラムの施肥をしたか?それによって取れ高がどれくらいになるか?とか書いてある。雨とか台風とかあるけれど、状況をみながらそのリスクを減らす。確実、絶対とはいえないけど回避できる。など、そのエクセルシートを見せながら説明してもらったわけです。
澤:なるほど。農業(女性未来農業創造研究会)と出会ったのは、正にサブウェイがきっかけなんですね。
岩崎:お花屋さんやりながら、企業のブランディングとか新規事業とかをひきうけていたんです。
澤:自分のお花屋さんの仕事しながらですよね。
岩崎:そうです。その頃、輸入家電の日本上陸のお手伝いしたりとか、なんでしょうね。いろんなことやっていたんですけど、この商品にはこの値段とか、こういうデザイナーさんにお願いしようとか、資材とかこういうの使おうとか。販路の計画とか、WEBサイトどこの会社にお願いしようか?とか。
澤:プロデューサーって言えばいいのかな?
事業企画とプロデュースって感じですよね。いままでいくつくらいそういうお仕事やったんですか?相当沢山関わってらっしゃる感じですけど。羨ましいなぁ。楽しそう。変な話だけど、飽きなくていいですよね。仕事していると「飽きる問題」重要なんですよね。
岩崎:飽きないとなかなか新しいこと生み出せないと思っているんですけどね(笑)。
澤:わたしも飽きっぽいので…(笑)でも、ひとつの仕事をずっと続けている人っての尊敬しますよね。なかなかそういうことできない。それも才能かなぁ。同じ事やっていても少しずつ楽しめる人いますもんね。
いやー岩崎さん、かっこいいな。仕事人って感じ。
岩崎:そんなことないですよ。自分を売り込むというのは私下手なんだと思うんですよね。他の人・商品のほうができる。このブランドいいでしょ?とか、商品とかサービスとかそういうのをアピールするための企画を考えたりするというのは性格上向いているのかなぁ。
農業女子ってどんな人?
澤:あー、それで思い出しましたけど、大館市で農産物直売所『陽気な母さんの店』を、いろいろなハードルがある中で、お母さんたちだけで作ってしまった、石垣一子さんとかもそうなんですよね。
岩崎:あ、石垣さん。
ほんとにチャーミングって言葉があてはまる。お年を召されているんですけど、最近の農業女子ってちょっと「ん?」ってひともいるんですけど、彼女はブレない。地方ってとても閉鎖的だと思うんですけど、そのなかで当然、いろんな人にいろんなこと言われるにもかかわらず、手を変え品を変え、何度でもアプローチし、チャレンジする。それでもしなやかに押しすぎず、時には引き、でも曲げないで貫く人なんですよね。簡単にはやめないんですよね。
澤:でも、決して頑固とか一途とかってわけでもないんですよね。想いがブレない。そこがすごいな。へんな言い方ですけど、「ただの農家さんですか?」って失礼ながら聞いちゃいましたもん(笑)
でも、その昔、その地域(中山地区)にお嫁に行くにはスゴイ苦労するよって言われたらしいんですよね。当時、行商で大館市内までリアカー引いてものを売りに行っていた。その時、自分で作ったものだから、自分の手で売りたいって思って、どこを通じてどこにどういう風に売られるのかわからない状況をなんとかしたいと。それで、近所のお母さんたち集めて、法人は作れなかったけど、協同組合みたいなもの作っちゃった。
岩崎:みんなで少しづつお金集めて作ったって言ってましたね。
借りている直売所の家賃もあの場所にしては価格がちょっと高い。にもかかわらず、ちゃんとペイしちゃっているのがスゴイですね。
澤:スゴイですね。で、その組織を作っていく過程を聞いていくと、フツーの人じゃあないなと思ったんですけど…ただ者じゃあないって感じ(一同笑)。自分で売っているからだと思うのですけど、顧客がすごく見えているんです。お父さんたちにバカって言われながらもはじめた。まあ、ここまで頑張るだけでもすごいんですけど…
それだけじゃあない。そこから先がさらにすごい。
どの時期に、どの野菜が、どこでできていて、どこに端境期があってっていうのを全部調べたんですって。それがスゴイんですね。それでね、農家さんに生産調整させたって言うんですよ。たとえば、トマトばっかりできたら困るから、あなたのところトマトやめてなんとかしない?って提言していった。雪が多いというか冬が長いので、夏の野菜が採れる時期ってそんなに長くないのに、なるべく野菜の種類を拡げていく。
さらに野菜を売っているだけでは到底到達できないからと、加工したり、仕出しをしたり、料理教室開いたり…
岩崎:さらに、旬とはいえ毎日同じ野菜を食べていると飽きちゃうからっていうんで、手書きで料理のレシピ作ったりして…「あたしたちマーケティングしているんです(←訛り全開で!)」(笑)って。ヒアリングも行っている。
毎日、おじいちゃんがそこにお弁当買いに来たりするんですね。でも、二ヶ月に一回の年金支払日の日には、ちょっと高めでも普段と違うお弁当が食べたいなって思うそうなんです。で、その日は普段より高めのお弁当を売ることにした。それが予約殺到して全部売り切れちゃうらしい。
澤:調理ができるからなんでしょうけど、給食への仕出しもやっている。農家さんの野菜を作って売るだけの収入だけじゃあなくって、採れた野菜を加工して売っている。
で、石垣さんに聞いたんですよ。いろんなところから経営の話してくれとか呼ばれませんか?って。そしたら、まあ、そういう話はあるそうなんだけど、親御さんの介護したりで大変なので出て行けないというので、お引き受けする際には基本的に来ていただいていると。
農業の魅力を伝える農業女子
澤:まあ、話をもどして、岩崎さんが、なぜ農業女子に注目することになったのか?という所を、もう少しお聞きしたいんですけど。
もともと農業に関わることになって、そのマーケティングを考えなくちゃいけなくなり…で、考えてみると農業に関わっている就業者の半分は女性ですよねとなり…などという話もお聞きしたことがありますが。
岩崎:サブウェイに勤務していたときに、たとえばトップハット静岡の。ここは営業が女性、奥さんたちですね。パワー・営業力がかなりいいというか、若手の農家さんたち・男子を束ねている。こういうひとたちと取引していて知り合って、面白いなあと思う集団にはみんな素敵な女性がいるんですよね。なんとなく女性の農業者ってのを感じてはいました。
一方で同じ時期に農水省で農業女子プロジェクトってのが始まったんです。いろんな企業が農業者と一緒に農業者の知恵ならではの商品を企画したり農業のおもしろさをアピールしましょうというプロジェクトなんです。
その時、サブウェイで取り組んだのですが商品にするのは生産量も間に合わないし小ロットだと価格の問題もあるということで、フランチャイズの商売でもあるので旗艦店数店舗で販促費としてしか販売できなかったので大した儲けにはしてあげられなかったのですが。でもここでわかったことは野菜を作る現場ではこういう原価管理をしないといけないとか、いろんな表示義務があって…とかで、加工商品に関するいろんな法律があることを教えることができました。
そこに関わっていた一人の女性なんですけど、梅の栽培をやっているんですよ。そこでの経験から発奮して、梅で頑張っていこうという想いから「第一回梅サミット」を自力で開催しちゃった。
その他、ダイハツの軽自動車。女性の農業者が子供を迎えに行く際に白いトラックではかっこよくないというので、いろんな意見を女性農業者から取り入れてカラフルな色の軽トラック発売したら結構売れたと。
女性農業者の意見を取り入れてる。イセキ、ローソンなんかも。
澤:これは農業女子が増えていて、企業がそれらと協同で…ってことなんですか?
岩崎:あ、これはそういう話ではなく、農水省の「農業女子プロジェクト」のことで、農業の魅力をPRするためにはじめたんですね。結果的にこれまでもJAの女性部会とかあったんですけど、そういうのではなくってもっとリアルに若くてもっとキラキラした農業に従事する女性の交流の場ができたわけなんです。
多くがいわゆる農家の嫁ですから、保守的なのかな、なかなか出て行けない。でも、農水省から呼ばれたとなれば、出て行きやすいんですね。で、農業女子プロジェクトが始まって、農業に従事する際の女性の労働の対価ってのが奥さんだからってお小遣いみたいなのではなくって、ちゃんと労働対価として明確にしていくことを推奨していて。頑張って工夫している他の女子の話を聞く機会が増えたり。こういう機運になってくるとわたしもやってみよっかな?という人たちが出てきていることも確かなのです。
澤:あの素朴な疑問なんですけど、農業するためには土地がいるじゃあないですか、そんな場合に、よしあたし農業女子やろう!と思ってもちょっとハードル高いというかできないですよね。で、お伺いしたかったのは農業女子ってのはもともと農家の娘?とか農家に嫁いだ女性の話なのでしょうか?
岩崎:そう、新規参入の話は仰るとおり、まず土地を借りて、よそ者として地域に入って…となるわけで、相当大変。
まずは嫁ってところで、嫁って扱いではなくって、ちゃんと労働力というかビジネスに関われるようにするにはどうしたらいいか?から始まって・・そういう事例やノウハウをみんなで集まって共有しましょう!と。で、実際集まっていろいろ検討しているのを農業女子と呼んでます。(笑)
農水省が目指しているのは、現在農業従事者の平均年齢が高くなっているのをなんとか下げよう、農業を継いでもらう人をもっと増やそうというので、農業の魅力をもっと広めてなんとか…とね。
嫁もしくは娘が後継ぎとして、農業にキラキラ従事している女性もいるし、これまでとはずいぶん変わってきているよということを伝えたいわけです。
澤:古い話だと農家に嫁ぐんですか?という話ありますよね。こういうマイナスのイメージを払拭したいと。農家の嫁ですけど、かなり楽しいし、魅力的な仕事に従事してますというようなものを提示したい。
岩崎:そうですね。農家の奥さんが発信することでもっと農業は魅力的に見えたりする。工夫をして魅力的な仕事にしているというか。
農業からみえてくる「男性と女性」
澤:なんか女性に着目するっていうのですか…仕事でいろんな地域に出向くわけなのですが、当たり前のことなのですけど、どこでも当然女性は半分いるわけです。でも、男性社会なのかなんなのかわからないのですけど、女性は一歩、二歩身を引いている。そんな一歩引いている女性たちと個別に話してみると、よくしゃべるしきわめて面白い人達がたくさんいる。それで逆説的なんですけど、女性をいろんな形で表に出していくと、その地域の男性社会自体が少しずつ変わるんじゃないか?というような話をちょうど、別の地域でもしていたところなんですけどね。
岩崎:そうそう、まさにそんな感じ。
澤:新しいことをやっていこうということに関して女性の方が感度が高いんじゃないか?と思ったりしているわけです。実際にそういう事例にも結構出くわす。
それでね、農業なんですけど、作ることは確かに男性がやっているんですけど、発信することはあんまり男性はやっていないというか、得意じゃあないというか…
岩崎:奥さんが売り込みするとうまくいく(笑)。男性は衒いがあるというか、これまでJAに頼んできたから自分たちがやるものではないという風に考えているというか。女性の営業力って言うのかな…あと発想力。こことこれやったらいいとか、紹介したりとか…。うまいんですよ。モチベーションの上げ方とか、農業カッコよくしようとか。次のステップはどうしたらいい?とか周りに聞きまくったりしたりとか。平気でできちゃう。ネットワーク作るの女性の方が得意なんですよね。
澤:ホント。30秒くらいで友達になっちゃう。もう30年付き合ってますくらいの感じで話しちゃうんですよね。でも、全員初対面。あれは、男性にはできない(笑)
岩崎:そうですね。共感力が女性の方があるというか…。
澤:そういう意味では男性のなんというかな…モノを組み立てていく力というか、一方で、女性のイメージでわーっと作れてしまう能力というかそういうのがぜんぜん違っていて、男性は放っておいても表に出ちゃうというか、だからあえて、女性に表に出てもらうようにする。無理して出すというのをやっていくのは面白い。
岩崎:そうですね。
澤:農業女子って言葉はいいかなと思うのですけど、世の中ではいわゆる農家の嫁というわけですから、悪い意味で専業主婦って言われるわけですよね。そこをそう言わせないというか、そういう意味で「農業女子」っていいかなと。
岩崎:そうですね。でも、じゃあ農業は経営的にどうか?というと、やっぱりなかなか厳しいわけです。でも、生き生きと地域に根付いてそこで貢献して、地域のHUBになって…という意味においては農業女子って言葉で、微々たるものですけど、第一段階クリアかなと。これを続けようというのが力になっているというか。
澤:ちょっとさっきの話なんですけど、世の中サラリーマン社会になっているから農業に従事してもあんまり儲からないという構造もあるかもしれませんよね。
岩崎:そうなんですよ。
農家にしてみれば、ある程度の量を買ってもらおうとするとどこかの流通の物流センターにものを入れないとお金にならない。一方、そのセンターまでの物流のコストがかかるというのも儲からない要因のひとつであるわけです。いわゆる地産地消というかそういうシステムがもっと見直されれば、もう少し儲かるようになるかもしれない。十分やっていけるかもしれない。一旦物流センターに集められてそれがまた地元に戻っているというようなシステムを見直せれば…。
澤:農業ってできるとき山ほどできちゃうわけですよね。
そこに目をつけて、京都のある企業だったと思いますが、農家のおじいちゃん・おばあちゃんが自分が食べる用に野菜を作っているわけです。でも、やはりどうしてもできすぎちゃう。それを箱詰めして都会の応募してくれた人に送るというようなサービスを作った。これが大好評で、新規募集を停止しなくちゃいけなくなった。
それって大量生産しているわけではなくって家庭で自分が食べるためだけに作っているようなものでも、みんなに喜ばれる仕組みができる。
これはもっと流通してもいいなと思うんですけどね。
ただ、これフツーにやっちゃうと需給バランスが狂ってしまって野菜の価格が変わっちゃうんですね。だからあんまり外に出せないし…というジレンマも。
岩崎:そうですね。だから敢えて廃棄したりとかも出てきちゃうんですよね。
澤:大量生産の大規模農家というかそういうのだと、結局、量的に直販ではさばけないんですよね。だから、市場に出して販売をしてもらわないといけなくなる。そういうレベルの話と、ひとりひとりが野菜を食べておいしいよと言っているレベル、例えば、最近流行っている有機農業みたいなのとね、このレベルは全然違っている。じゃ、全部有機農業で…となるとおそらく今一気にやったら、世の中から野菜が圧倒的に足りなくなる。結果、農水省が悩むみたいな構図ね。
岩崎:農水省、悩みますね(笑)
澤:そう、それで思い出したんですけど、生産調整って農業より漁業の方が圧倒的にやりやすいんですよ。養殖ができているので。餌の量を調整したりしてね。
二ヶ月後にブリを出荷したいとかすれば、いろいろ調整すればできる。最盛期のお正月にブリの出荷を調整することもできる。でも、これは野菜はできない。天候もあるしね。
バイオで…という話もあって農業工場でやれば生産調整できるんですけど、この場合単価が高くなっちゃう。まだ農業をそこまできっちり生産調整していくというのは現実的ではない。農家さんは一人一人個性のある人々ですから、そこを調整するのは、養殖のようにはいきませんよね。
岩崎:サウジアラビアとかそういう国では水の方が高いから、植物工場で生産してもいいということもあるんですけどね。日本と逆で外で作る方が圧倒的に高くなっちゃう。←作れれば・・・
澤:まあ、実はもっといろいろ問題があるそうなんですけどね。植物工場もホントはそんなにお金かからないはずだけど、機器の独占などもあって、結果として高止まりしているんだ、というような話もあるようですし。
岩崎:そう、なぜ、植物工場もっと流行らないのかな?とか聞かれるんですけど、実際に倒産しちゃったりしたところもでてきてて、経営スキルはもちろん、農作物って育てる人のノウハウみたいなものが必要なんじゃないかな?と思うわけです。だから、そのノウハウ持っている農家の人とかがね。勝手なことを言ってるかもしれないけど。
澤:そうですね。なんとなく農業の方が生産調整できやすような感じするんですけど、さっきお話しした通り、実は漁業の方がやりやすい。漁業女子もいますよ。実際、お会いしました(笑)
もうブリの出荷しているところなんて加工場からなにから女子いっぱいいます。ブリがすごい勢いで三枚に下ろされていきますからね(笑)
岩崎:ははははは。