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2023年12月30日更新 投稿者

2023年を振り返って(”よく見る/観る”について)

ちょうど1年前。
2022年は「問いの大切さ」に気づいた年だったと振り返りました。
そして、

2023年は、「正しい問」をいろいろな方々と議論をしながら突き詰めていく、そういう1年にできたら良いなぁ、と思っています。

と抱負めいたものを書き残したのでした。

2023年は、旅の一年だったように思います。
2月に久しぶりの海外、台湾に行き、その後2回訪問。都合3回の台湾訪問となりました。
正しい問のためには、日本ではないものを見てみることが大切である、ということを改めて確認することになりました。
もう40年近く前ですが、高校2年の夏、40日ほどオーストラリアに一人でホームスティに派遣されたとき、オーストラリアとの文化との違いに気づくことはもちろんですが、日本について語ることの難しさを知ったことを思い出します。
語るからこそ「なぜ違うのか」「なぜ日本はこうなるのか」に気付かされたのです。
2月の台湾訪問は。「問う」前に、「見ること」、特に「よく見ること/観る」の重要性を認識してくれたように思います。

7月以降、積極的に旅する時間を取りました。
オンラインが普通になり、どこでも仕事ができるようになったことは、
「どこでもできる」
つまり
「どこにいてもいい」
という状況を生みました。

9月には、20日ほど、ゆっくりと西に向かいました。
東京との往復を頻繁にする旅ではなく、少しずつ持続的に文化が変化していく「連続した旅」は、「見ること/観る」の粒度を上げてくれるのではないでしょうか?
ちょっとしたことを見逃さないということと、ちょっとした地域の変化に「大きな変化がある」ということにも気づくのです。
明治維新に向けて、遊学が盛んになりますが、それは東京に行くだけでなく、多くの地方への旅が描かれています。
そこから維新を成し遂げた人は「何かを得たのかもしれない」と思いました。

岩本悠の「流学日記」
木村哲也の「宮本常一を旅する」
李禹煥の「両義の表現」
増村岳史の「究極の思考」
など、今年手に取った本たちは「連続する旅」や「よく見る/観る」ことについて、多くの視点を与えてくれるものでした。
こういう本に「出会う」ということも、偶然ではあるのですが、必然のように思います。
五木寛之の「他力」の中に、「やりたいと思うことを常に考えているから、そのチャンスがちゃんと見えて、他人のどの力を借りて実現できるかがわかるから、他人の力を借りることができる」というような趣旨の記載があったのですが、まさに、これだと思います。
そういう目で見るから、そういう本が多くの本の中から選ばれる、ということなのでしょう。
自分で「選び取る感覚」を鍛える、ということも実はこの中に含まれるように思います。
(なので、未だに、chatGPTは、使う気になれません。。(いろいろな人に使ってみるべきと言われているのですが))

山にも登りました。1年間で百名山13座、二百名山2座、三百名山1座。他にも小さい山はたくさん登りました。
訪れる機会がなかった、長崎県の五島列島や、鹿児島県の薩摩半島などにも足を伸ばしました。
長い船旅の時間を取ることが多かったのも、今年の特徴かもしれません。
「これまでにないこと」
を探した結果のように思います。
それは台湾の強い印象からやはり始まったことです。

今年の「よく見る/観る」ことへの旅は、人との出会いからも生まれました。
2回ほど山形市の副市長の井上貴至さんにお誘いいただき山形市を訪問しました。
1度目は、問題解決について自分なりの考えを語るという機会をいただいたのですが、「問う」こと対し、「よく見る/観る」ことの大切さを自分なり消化する良い機会にもなりました。
2度目は、角川俳句賞(俳句の世界の芥川賞と言われています)を受賞した、岩田奎さんのお話しをお聞きするためでした。
終了後、直接ゆっくりお話しをする機会も頂いたのですが、
1999年生まれの若い俳人は「見る」ことを深く語っておられたように思います(私はそう理解しました。)

「問う」ことは「よく見ること/観る」から始まる

これが2023年のまとめです。

2024年は、2023年に引き続き、「問うこと」「よく見ること/観る」に精進しつつ、
何を観るのか、そして、
観たことをOutputする、ということに新たに挑戦してみようと思っています。

1年間みなさまお世話になりました。
2024年がみなさまにとって良い年になりますように。
引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。

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