2017年9月27日更新 投稿者 代表理事:澤 尚幸
自由度の罠と「失敗事例」の公表の必要性
どちらかというと、世の中は、規制緩和という方向に進んでいる。
もちろん、それで自由度が高まり、新しいイノベーションが現れるということが意図されているわけだが、
「実は、そんなに甘くない」
と思う。
自由度とは制限が緩和されること。
良い方向の広がりがあれば、悪い方向の広がりも同じようにある。
だから、普通に考えれば平均値は変わらない。
良い結果の分を悪い結果が相殺してしまうからだ。
だから、物事をよくしようとするなら、
「自由度を高めると同時に、悪い方向に行かないように、ダメな物の制限は強化する」
もしくは
「自由度ではなく、全体を少しずつ良い方向にシフトする」
ということのいずれかを選択しなければならない。
平均レベルが上がらないからだ。
ただ、「全体のレベルを少しずつあげる」など、とてつもなく難しそうだ。
個人的には、どうすれば良いか方法論が思いつかない。
結局は、自由度をあげつつ、悪い例はなるべく制限をしていく、ということが現実的な解のように思う。
「地方活性化」
は国力の向上が目的なのだから、全体レベルがシフトすることが目標だろう。
ところが、
「単に自由度は高まり、良い事例も出てきたけど、平均値は少しも変わらない」
という結果にはなっていないのだろうか。
例えば、交付金や補助金がずいぶん投入されているのだが、
「失敗しました」
という事例にはおよそ出会わない。
そもそも、良い事例は、いろいろ公表されているのだけど、
「失敗事例」
は公表されない。
個別に自治体や、地域活動をされている方とお話しをすると、この手の話を山ほどお聞きするのだが。。。
「交付金を返せ」とまでは言わないとしても、こういう事例をしっかり公表してくれれば、
「きっちりダメな物の制限は強化する」
という機能が果たせるような気がするのだが。。。
あるいは、
「交付金がなぜ認められなかったのか」
ということも、とても良い勉強材料になるように思う。