2016年8月25日更新 投稿者 代表理事:澤 尚幸
フレーベル少年合唱団第56回定期演奏会
30年弱前、この少年合唱団のピアニストをさせていただいていた。ということで、お招きをいただいた。
こどもの歌声は、30年前と変わらないし、年長のこどもたちが、小さいこどもたちを気遣うのも同じ。
中学、高校、大学と違って、身長差も倍近いこどもが並んでいて、多様性も抜群。それが少年合唱団の興味深いところでもある。
「昔、こどもたちと演奏したなぁ」
という懐かしい曲が出てきたりすると、やはりちょっぴり感傷的になって、目頭が熱くなったりもする。
「この曲を演奏したい、思いを伝えたい」
その一つの目標に向かって、こどもたちが進んでいる姿はやっぱり昔と変わらずいいものだ。
この多様なこどもたちを引っ張るのが、指導者兼指揮者だ。
「こどもの自由を大人の基準で制限しないようにしたいと思っている」
音楽監督があいさつでしめくくっていた。
一方で、ピアニストってなんだろう。
ピアノが目立ったら、伴奏にはならない。
ただ、ピアノの弾き方で、実は音楽は大きく変わる。
ちょっと練習をサボっていったりすると、こどもたちの歌声が確実に燻んでしまう。
わかっていないようで、しっかりとこどもたちはわかっている。
そういう苦い体験が、人生に一度だけ僕にはある。
まだはっきりとはわからないけど、キャンバスとか、紙のようなものなのかな、と思った。
いいキャンバスなら、絵の具の乗りがいい。紙よければ、良い字が書ける。
こどもが自由に動くためには、良いフィールドがなければならない。
フレーベル少年合唱団お決まりのアンコールを聞いて、気持ちよくホールから外に出た。
良いフィールドを作り、そこで自由を謳歌し、でも、進むべき道はしっかりと共有する。
「経営は音楽で学んだ」
みたいな本を読んだことがあるが、結局、地方活性化も含めて、人々をハッピーにするための方法は、みんな同じなんだよな。