地域の課題を解決するための伴奏者

一般社団法人 コミュニティ フューチャーデザイン COMMUNITY FUTURE DESIGN

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  • 2016年10月6日更新 投稿者 石見銀山(最終回)

    さて、今の石見銀山を堪能した翌日、銀山の坑道である「間歩」を歩く。 と言っても、大半は人がやっと入れる程度のもので、歩いて観光できる「龍源寺間歩」に行く。 メインの坑道とて、やや屈んで歩むかなくてはならない。そこから、銀鉱脈を探し続けた無数の細い枝とも言える坑道が伸びている。 中村ブレイスの中村代表が収集された、鉱山にかかる絵巻に描かれているような、過酷な状況は今はなく、ひたすら涼しく、静かだ。 間歩から緩やかな道を下っていく。 そこに、穏やかな古民家群が広がっている。 残った間歩。 残った古民家群。 そういえば、ふと、午前中に案内いただいた、石見銀……


  • 2016年10月1日更新 投稿者 石見銀山(第4回)

    今回の石見銀山での時間。 昼下がり、ちょっと高台から、石見銀山の石州瓦の甍の町並みを眺めてみた。 昼間を、中村ブレイスの中村さんの言葉の時間、だとすると、日暮れを過ぎてからは、石見銀山生活文化研究所の松場大吉・登美ご夫妻の言葉の時間、となった。 松場夫妻の思いが詰まった「宿」、他郷阿部家でのひと時。今回は、大吉さんが不在で、登美さんが、夕飯前から数時間にわたり、お話しをしていただき、また、会話の場に加わっていただいた。 松場登美さんから語られる言葉を一つ一つが、「石見銀山」が、過去の石見銀山の歴史文化そのものではなく、今の新たにここで創られている文化である、ということを……


  • 2016年9月28日更新 投稿者 石見銀山(第3回)

    石見銀山生活文化研究所、群言堂本店を後にし、もう一つの企業、中村ブレイスさんを訪問。 旧松江銀行本店を移築した、という迎賓館で、代表の中村俊郎さんからお話をお聞きした。 「柔和な中に、強い信念をお持ち」 と伺える方で、なぜ、義肢の専門企業を立ち上げたのか、なぜ、石見銀山の歴史や、石見銀山の町並み保存というCSRをはじめられたのか、といったことを、丹念にお話いただいた。 実際の工場を見学させていただいた。 一つ一つ手作り。 職人の方々は、使い手一人一人をイメージして、丹念に作られている。 「ちゃんと、使われる方が、浮かんでいるはずです」 とは、中村さんの言葉。 ……


  • 2016年9月25日更新 投稿者 石見銀山(第2回)

    石見銀山、旧大森町の今は、2つの地元に根を下ろした企業によって成し遂げられた。 といっても、訪れたばかりの私には、世界遺産石見銀山というものから想像される一種過酷労働のイメージと、目の前に広がっている、穏やかな古民家群の町並みのギャップを整理できないままだった。 まずは、一つの目の企業、石見銀山生活文化研究所が経営する、群言堂の本店を訪問。衣料品や生活雑貨のお店として人気がある。 女性の方には、昔ながらの製法を大切にした衣料品のお店へとして有名。それは、生産性向上といった言葉からは得られない、日本の風土に適合したものと言える。 例えば、古い織機で織り上げられた布には、ゆるや……


  • 2016年9月23日更新 投稿者 石見銀山(第1回)

    2007年に世界遺産登録された「石見銀山」。ここが、地方活性化の一つの成功例だということを知ったのは、実は最近のこと。 里山資本主義の勉強会の方々からお話しをお聞きし、また、最近はまっている「島根県江津市」の方々からも、素晴らしい人々がいる、という風の便りをいただいていた。 一時は世界の3分の1の銀を採掘していた、とも言われる石見銀山。坑道の跡を見ることができる場所、くらいのイメージしか持ち得ていなかった。 地域活性化のお手伝いを標榜しながら、なんとも恥ずかしい。 広島空港から車で2時間あまり。途中までは江津への道筋と同じで、私にとっては懐かしい光景が広がる。邑南、……


  • 2016年9月22日更新 投稿者 地域活性化の持続性について

    地方創生がブームだ。 だからこそ、そのブームが去った後のことを、やはり考えておいた方が良いと思っている。 つまりは、一過性ではなく、持続的に地方活性化を行なうにはどうしたら良いのかということだ。 そもそも、自己分析をしてみると、「飽きっぽい」と思う。 自分のフィールドは会津だが、当然、他の地域に興味が湧くということもないことはない。 「飽きっぽい」ということは、ただ、常に新しいことを目指していく、という可能性もあるわけで、一概に悪いことではなく、挑戦の連続が、物事の推進につながることもある。 ただ、そういう性格であっても、子供の頃から、常に、「楽しんできたもの」というのは存……


  • 2016年9月16日更新 投稿者 空き家問題とご先祖さま(第2回)

    地方活性化について語ることが多くなった。 ある打合せでのこと、ある方が以下のような話をしはじめた。 「「先祖伝来」というが、そもそも、太平洋戦争以前に土地を所有していたのは、ほんの一部の地主しすぎず、大半は小作だったはずだ。 それが大きく変わったのは、太平洋戦争後に行われた農地解放。」 確かに、見落としがちな視点だなと感心した。 となると、今の空き家問題、特に、先祖伝来の、という意識は、戦後の数十年に定着した文化に過ぎないと言えるかもしれない。 土地所有ができなかった大半の人々にとって、農地解放は「自らの土地がある」という状況を生み出した。 そして、田舎から状況し、都……


  • 2016年9月10日更新 投稿者 直島のこと(瀬戸内国際芸術祭)

    夏の短いオフ。 香川県の直島に行った。 ブログにも書いたのだが、李禹煥美術館に行きたい、というのが目的。 「問題意識がないと、勉強しても身にならない」 のだが、 「問題意識ががあると、結局、オフがオンになる」 が昨今の自分。 直島は、Benesseの島、という印象のまま、高松港から船で直島へ。 瀬戸内国際芸術祭の最中ということもあり、フランス語や中国語が飛び交う。 瀬戸内の小さな島に、インバウンドで人々が集まってくる。 俄然、「直島はなぜ元気なのか」を調べたくなった。 草間彌生のカボチャを見物し、美術館巡りをし、Benesse Houseの一室に戻った……


  • 2016年9月8日更新 投稿者 空き家問題とご先祖様

    「空き家はあるけど、空き家はない。」 この禅問答みたいな話を、過疎地で、特に、UIターンの皆さんから聞くことが多い。 「盆と正月は戻ってくるから」 「仏壇があるから」 要するに 「先祖代々の土地は粗末にできない」 とか 「ご先祖を大切にしなければ」 ということなのだ。 実際、日本人はご先祖さまという言葉に弱い。 そもそも、 「盆と正月しかお参りしない仏壇」 で、ご先祖さまを大事にしていると言えるのだろうか。 この、なんだか自己矛盾しているような言葉の中に、地方活性化とか地方創生、で真に必要なことは何か、ということの答えが含まれているような気がしている。


  • 2016年9月4日更新 投稿者 山小屋から地方創生を考える

    日本百名山ブームも2巡目という話もある。 トレッキングという言葉も定着。 山小屋も、「親父が名物」という時代から、快適性や名物をもとりあえげられて、隔世の感は否めない。 そういう私も、仲良くさせていただいている小屋が一つある。 日本百名山の一つ、標高2530mの蓼科山の山頂にある、蓼科山頂ヒュッテだ。 それまでは、山小屋はお世話になるところではあっても、山小屋がどのように守られているのか、については無知であった。 山小屋は、オーナーである小屋主はもちろんだが、そこに集う、多くの仲間によって守られている。 土日は山小屋は混む。 その多くの仲間が、順に山小屋のボラン……


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