2017年2月15日更新 投稿者 代表理事:澤 尚幸
2度目の周防大島(第2回)
今回、周防大島のツアーを企画してくださったのは、ジブンノオトの大野圭司さんだ。
大野さんは、子どもから大人まで、幅広く、起業家教育やキャリア教育を企画・実施されている。
2日目に訪問した、KASAHARA HONEY。
花の開花に合わせて日本列島を縦断するのが普通という養蜂業にあって、周防大島だけに巣箱を置いて行う養蜂業。
その代表の笠原隆史さんに
「なぜ、こんなに正しいステップを踏んで、起業が行われているんですか、どこで学ばれたんですか?」
と、質問した。
「島スクエアで学びました」
島スクエアは、国立大島商船高等専門学校が提供している、起業のための学びの場だ。この立ち上げのために高等商船を口説き、奔走したのが大野さんだ。
「15歳の時に、将来、この島に戻ってきて、この島を活性化する、と決めました」
キラキラとした目で語る大野さん。目標があるからこそ動きも早い。数億円規模のこの事業を実現させてしまった。
1日目に伺ったジャムズガーデンの松嶋さんの一言。
「最初は、二世帯居住で、妻がこちらに来て、ジャムで経営が成り立つのか見極めました。大丈夫そうだ、と分かり移住しました」
フランスでジャムと出会い、事業構想を練り、事業計画を立て、試行を経て、という、こちらも正しいステップを踏まれている。
こういう「正しい起業家」がいて、そして、「人材を育成しようというプログラム」がある。
この周防大島の成功の要素の一つは、この起業教育にある。
笠原さんのご両親も養蜂業とのこと。最初は継ぐつもりはなかったが、結局、別の土地で養蜂業を生業にすることになった、と笑顔で答える。
「養蜂業は大変な仕事だとわかっていました。それを変えられないか」
それが、この周防大島という養蜂に適した土地で、これまでにない定住というイノベーションを生んだ。
同じ仕事でも、環境に合わせて変化が求められる。
環境の変化のスピードはますます早くなり、リンダ・グラットン著「LIFE SHIFT」によれば、一生に幾つかの仕事を経験しなければならなくなるらしい。
だからこそ、仕事を継ぐ、としても、それは、起業やイノベーションの連続になるのが目に見えている。
そういう意味で、子どもにも「起業教育やキャリア教育を」という大野さんの取り組みは、実は、地方活性化という枠組みにとどまらず、これからの子ども全体に必要な教育の要素なのではないか、そんなことも感じることができる周防大島訪問になった。
(続く)