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2021年2月8日更新 投稿者

ティーチャーのボヤキ(その2) 「マンキンタンとオノマトペ」

令和3年1月よりはじめたコラム
・1週目 「ティーチャーのボヤキ」
・2週目 「ミーハー的観光」
・3週目 「今日的観光評論」
・4週目 「都会と田舎の境界」
と毎週テーマをかえて各シリーズ1作目をお届けさせていただきました。
早いものであっという間にもう2月。1週目の「ティーチャーのボヤキ」に戻り、シリーズ2作目スタートです。

テーマは 「マンキンタンとオノマトペ」

ある年の夏、一年振りで北陸のある都市へ向かった。目的は、この町の企業で夏にインターンシップを経験する女子学生二人と駅の観光案内所前で待ち合わせをしていた。大きな荷物を傍らに緊張して佇んでいる模様。「よっ!!」と声を掛けると、ホッとした顔で「おはようございます!」と元気な声。受入れて頂く企業担当者の方に案内され、ホテルに荷物を置き、まずは市内視察から。中心部市街地をブラブラと。

「富山の置き薬の製造工程とマンキンタンの体験ができる場所があるので行きましょう」と案内され、漢方薬専門店へ。店内でやっていた漢方薬の丸薬製造工程があり、すかさず「越中富山の鼻くそ丸めてマンキンタンですね」と得意げのティーチャー。苦笑して対応をしていただいた係のおじさん。丸薬がうまく丸められず悪戦苦闘の学生達。その間、パンフレットを見て少し絶句して「しまった・・・」といい加減なことを言ってしまったティーチャーのぼやき。

「越中富山の鼻くそ丸めてマンキンタン」という言葉が残っている、とウンチクを言ってしまった。

正確には、「越中富山の反魂丹(ハンゴンタン)、はなくそ丸めて萬金丹(マンキンタン、それを呑む奴アンポンタン」という地口が全国的に知られるそうである。萬金丹(まんきんたん)は伊勢国(三重県伊勢市周辺)で伝統的に製造販売されている漢方薬。600年の歴史をもつ伊勢の伝統薬万病に効くお伊勢さんの霊薬(伊勢くすり本舗・萬金丹の歴史から)

学生達はティーチャーのいい加減なウンチクを気にすることもなく楽しんでいる。次に向かったのは、「富山県美術館」屋上から遠く立山連峰を望む。屋上には常設展示である「オノマトペ」のアートが沢山。みんなでヒソヒソ、子供が喜ぶうんちブリブリ、などオノマトペを視覚化した作品が沢山。遊びながらアートを体験・体感。

学生:「先生、オノマトペって何ですか?」
私:「ブリブリ、ひそひそ、だらだら等の擬態語や擬音語なんかのことだよ!」
とサクサクと答えた。

いい加減な解説や知ったかぶりをしてしまったティーチャー太田、いつも学生には「事前に調べることは大事、いい加減な情報だけを信じないように。リテラシーは大切だからな!」と言っていた自分。今日のティーチャーはボヤクこと多い一日であった。

「先用後利」という仕組み★

置き薬の歴史(全国配置薬協会)によると、富山十万石の二代目藩主・前田正甫の「用を先に利を後にせよ」という精神から生まれた。「おきぐすりの先用後利」販売システムは、当時としてはかなり画期的な商法だったそうである。現在の受取後のコンビニ支払等の「後払い決済」や、ガス・水道・電気等の基本料金は別とした使用量に応じた利用料精算に繋がる仕組みであろう。

(参考)
一般社団法人 全国配置薬協会 https://www.zenhaikyo.com/history/
池田屋安兵衛商店 http://www.hangontan.co.jp/about.html

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