2016年6月25日更新 投稿者 代表理事:澤 尚幸
ウォール アート プロジェクト
地方活性化を考える上で、人のネットワークは重要だ。
私はなるべく違うジャンル、異なる地域の人と会う努力をするようにしている。
新しい知恵が得られるという単純な話だけではない。あたらしい自分を写す鏡を得ることで、自分のアイデアをさらにブラッシュアップすることもできるのだ。
友人の紹介で、インドで、壁画アートの芸術祭(ウォールアートプロジェクト(WAF))を行っているという団体のプレゼンテーション(報告)を聞く機会を得た。
場所は、福島県の名門、安積高校の敷地内にある、安積歴史博物館。安積高校旧校舎で、とても、歴史の重みを感じる建物だ。
ここで話を聞ける、というだけで、少しワクワクするではないか。
実のところ、壁画のプロジェクトというのは、それなりに数があり、いくつか興味深いものも知っている。
「このプロジェクトはどこに特徴があるのだろう」
そう、思いながら、2時間。話は、まったく退屈をしない、刺激的なものだった。
- インドという土地で、なぜか、日本人の若者が長期滞在し取り組んでいる。
- 識字率が低い。その原因には、こどもを学校に通わせること興味のない親の存在がある。だからこそ「学校に行くことの面白さを知ってもらうために、芸術祭を行う」という。
- 現地インド、日本のプロの芸術家にしっかりと対価を払って実施しているので、品質が高いし、プロに対する敬意がしっかり感じられる。
- 現地のワルリ族の、伝統的絵画により、地域を元気にしている。
まさに、「地方活性化の王道」になっている。
「もっと話を聞くことができれば、日本の地方活性化へのヒントが得られるのかもしれない」
こういう時には、本人に会って、じっくりお話をお聞きする。これが私の鉄則だ。
2日後、インドに長期滞在している、浜尾和徳さん(通称「おかず」くん)は、快諾をしてくださった。
多分、短い日本滞在で忙しいだろう、
そうした中、30歳のおかずくんは、ちょっとジェネレーションギャップがあるであろう、50前の自分と、渋谷のカフェでの話をしてくれた。その1時間半は、とても、私には充実したものだった。
- WAFの活動が、親に学校に興味を持ってもらうという、当初の趣旨が、数値面でも達成できていること。
- さらには、地元のこどもや大人がWAFに参加することで、「自らやってみよう」という、積極性が出てきていること。この意識改革こそ素晴らしい。
- 私が思った通り、このプロセスは地方活性化そのものであり、インドでも日本でも、元気になる要素は同じなんだな、ということ
「自分の出身地は福島県の郡山。自分の夢は、福島とインドをつなぐこと」
安積歴史博物館でも、この渋谷のカフェでも、彼は、笑顔でこう話した。
こどもの教育で日本とインドがつながれば、お互いの国にとって、素晴らしいグローバル人材教育の仕組みになりそうだ。
「9月のインドでのミーティングに、是非参加しませんか?」
おかずくんは、私を誘ってくれた。
牛糞でできた床はとても気持ちがいいという。
おいしい地下水がありますよ、とも。
ちょっと、その感触を夢見てみたい。
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