2018年3月12日更新 投稿者 代表理事:澤 尚幸
ふるさと納税の副作用
確定申告の時期になり、「ふるさと納税の成功例」が出回るようになった。
過疎地・地方にとっては新しい財源であり、また、その獲得には「知恵が必要」ということもあり、基礎自治体の「思考力」を高めるという意味でも、確かに価値がある施策だろう。
しかし、最近、地域を考える上で私が大切にしている
「何かを止める」
「壊すから何かを生み出すことができるという『動的平衡』」
という視点からいうと、良さそうではない。
「止めるのは面倒だから、ふるさと納税で一発逆転大ホームラン」
これは、ギャンブル依存症に他ならない。
一時話題になった、返礼品の金額多寡は、税収額はいろいろあるにせよ、税収として直入するか、地域内企業の売り上げになり、それが法人税として間接的に収納されるかという問題なので、大騒ぎする話ではないのだが
この
「財政を見直すきっかけを失う」
ということは、よくよく気をつけないと、
「気付いたらラリっている」
ということになりかねない。
地方創生交付金も実は似たような作用をしそうだ、ということを以前書かせていただいた。
作用があれば副作用がある。
お薬は病があるから読むもの。
「病自体を治したい」と思う気持ちを失わないようにしたい。