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2021年3月21日更新 投稿者

ミーハー的観光(その3)「読んでから観るか、見てから読むかのアミューズメント」

 

「読んでから観るか、見てから読むかのアミューズメント」

をテーマに、ミーハー気分で「行って観た」話題の新スポットをご紹介。

▶クールジャパンと地域振興

昨年、角川書店と所沢市等が中心となって埼玉県所沢市に「ところざわさくらタウン」をオープンさせた。中心となるランドマークは、住宅地に突如として出現した巨大な岩?にもみえる「角川武蔵野ミュージアム」。設計は、新国立競技場をはじめ著名な建築物をつくりつづけている隈研吾氏。アート、文学、博物のジャンルを超え、あらゆる知を再編成した、世界で他に類を見ないミュージアムである、としている。
2020年夏にプレオープン、11月にグランドオープン。夏のプレオープン時に訪問したときには住宅地内、近所のスーパーマーケットの駐車場等が違法駐車の観光客でいっぱい。今回は公共交通にて訪問、駐車場もすべて完成し違法駐車はなかったようだ。市が所有していた「旧所沢浄化センター」の跡地利用である。2014年に2社コンペで角川が優先権を取得したもの。少し気になったのは周辺は全て住宅地であり、静かな環境に突然巨大な岩が出現したことに住民との合意形成はどうなっているのかな~ということ。

「読んでから観るか、観てから読むか」の書籍事業の他に映画事業もやり始めた頃のコピーである。角川と言えば辞書、文芸出版で有名だったが、横溝正史の「八つ墓村」、森村誠一「人間の証明」をはじめミステリー分野からさらには原作から映画事業へ進出。「野生の証明」映画版では、高倉健主演で、薬師丸ひろ子(当時中学一年)のデビュー作となった。その後「セーラー服と機関銃」では、マシンガンをぶっ放しながら「か・い・か・ん!」というセリフは有名。
閑話休題、その後の角川はテレビ情報誌、ゲームソフト、アニメ情報誌等の情報誌、「エバンゲリオン」「リング」等を制作。などなど、いくつのも変遷を経て、書籍のみならずデジタル化対応、アニメなど事業領域を広げている。グループ会社のドワンゴでは、「ニコニコ超会議」、学校法人角川ドワンゴ学園では「N高等学校」の運営、学習アプリの開発、角川が主導して「アニメツーリズム」を推進するなど、メディアを使った多様な広がりを突き詰めているような動きをしている。

▶とにかく「行って・観て・体感した」

三月の日曜日、武蔵野線「東所沢駅」を下車し、徒歩約10分足らず。近い。住宅地の後方、雑木林の向こうに巨大な岩石?。エントランス前の雑木林には不思議な銀色のアート。これはチームラボが演出するパブリックアート。巨大な岩山を来場者が見上げながら写真を撮っている。デカすぎて入りきらない。観光客がそこかしこにいる。ざっと見渡すと女子の二人~四名程度のグループ、カップル、ファミリー等、ほとんど居ないのがおっさんの一人旅。イベントスペース、アニメホテル、アニメグッズショップ&レストラン、ダ・ヴィンチストア(書店とグッズ)、商業施設(タリーズ、コンビニ、うどん屋等)、武蔵野坐令和神社(アニメ聖地88・1番札所)といった施設が集積している。
高さ20メートル弱の本棚を中心として、昨年暮れの紅白歌合戦で「YOASOBIのライブ会場」になった角川武蔵野ミュージアムは、事前予約が必要で既に売り止めであったため入場は不可であった。残念。アニメホテルのロビーでウロウロしていたら、女子三人組が大きな荷物を抱えてチェックイン。ロビーにはノートが設置されており、全国から来ていることが分かった。まさに「アニメ聖地88・1番札所」訪問なんだろう。終日居ても楽しめそうな施設である。但し、ミュージアムの事前予約を忘れずに!、またくれぐれもオッサン一人では行かぬよう・・・。

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