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2021年1月7日更新 投稿者

ティーチャーのボヤキ(その1)「今どきの学生は本を読まない」

大学教員として講義・演習等を通じて学生との間に生まれる、日々の素朴な驚きや感動・困難について気付いたことをボヤキながら書きつづるシリーズ。第一弾は

「今どきの学生は本を読まない」

「今どきの大学生は本を読まない」と言われて久しい。先日、電車内で新聞を広げて読んでいると、ある評論家が言っていた。
でも待てよ、結構前から「若者の読書離れ」「活字離れ」等と言われていた記憶がある。ググって調べてみた。1970年代から恒常化されていると論文まで出ている。いくつかのデータ(出版年鑑等)確認すると確かに出版点数等が相当減少しているらしい。ざっくりいうと1990年後半から2000年前半あたりをピークとしているようだ。

先日、学生とオンラインゼミの話題で「Corona禍で利益が凄い企業がある!」と話をしていた時に、「Coronaで色々な業種が大変なときにも関わらず、巣ごもり生活でゲーム業界が潤って史上最高益を出した企業があるそうだ。任天堂だってさ。ゲーム機とソフトで特に「あつまれ動物の森」が売れに売れているらしい、先生はやらないけど・・・」
これってなんだか、「風が吹くと桶屋が儲かる」的な話だよね、と思わず独り言。
すかさず、「なんですか?それって?」と突っ込みが入った。

このストーリーは、一見関係なさそうなことも、物事の事象に相互に関係することもある、という話を始めたティーチャー。

風が吹くと砂ぼこりが起きる。人々の目に入って傷ついて盲目の人が多くなる。すると仕事が出来ないので、三味線を弾きながら演奏をして生業(職業)とする。すると三味線の需要が増加して猫が減る「昔は、昔は猫の皮を三味線のボディーに使ってたんだとさ」ギョエーと女子。猫が減るとネズミが増える、ネズミが風呂桶をかじって傷んでしまう、そうすると桶屋が儲かる、という話だよ!

ZOOMの向こうで「シーン・・・」

いつも積極的な複数の学生から「質問があります!」
まとめると以下のような質問が。
・砂ぼこりがはいったら盲目になるんですか?目は洗わないんですか?
・三味線はギターと似ているので木製と思ったんですが、猫の皮を何故使うんですか?
・盲目の人はマッサージとかの職業にならないんですか?
・猫は本当にネズミを捕るんですか?うちの猫は捕りませんが。
・なんで風呂桶をかじるんですか?バスタブとプラスティックの桶しか知りません。

時代劇の話、盲目の人の職業の話、風呂のような工業製品は昔家内工業だったこと、犬や猫などの動物は、ペットというより猫はネズミを捕り、犬は門番の役目など。今のようなキャットフードやドッグフードは無かったこと、風呂もその都度燃料となる薪を集めて風呂焚きをして、木製も風呂桶であったこと、桶もダガが緩むと壊れるので、修理をしたり桶屋に修理をお願いしたり・・・。
説明をしていたら、それなりの時間になってしまったので「また今度ね!」とClosing。

「ジェネレーションZの若者は、本を読まないというより、日々溢れる情報をネットや手元のデバイスで直観的に収集して、あまり蓄積を必要としない生活なんだ」と判ったような気がする・・・。
日々こんなことがある飽きの来ないティーチャーを週に数回やりながら、余計な例え話を使って説明すればするほど、こっちの説明の貧弱さに気が付くという顛末。

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