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2021年3月8日更新 

デザインとは何か?【オンラインイベント第1回動画の要約】

2020年7月24日にオンラインイベント「Salon de ∫u ken(さろんですけん)」の第1回が、
「デザインを再構築する」というテーマで約60分にわたり行われました。
その模様はYouTube動画で配信中です。
今回は、時間がないかたに要点だけをさらりとおさらいしてみましたのでご覧下さい。

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Salon de ∫u kenって何?
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デザインと数学と建築という視点から、地域や社会や文化、そして日本のありようについてゆるゆると考えてみようということで始まったプロジェクトです。

「Salon de ∫u ken=deデザイン、∫u数学、ken建築をやっている人が集まったサロンの意」

私達は、大都市「東京」に住み、仕事の拠点は都会であるにもかかわらず、実際の活動フィールドは「地域・地方」も多く、「人間の営みの根底には都会も地方もないかも」等とインスピレーションを得て、「物を見える化する(デザイン)する」ことを生業としています。
山梨県の山間部にある「健康荘」という古民家民宿だった建物を再活用するメンバー3人が中心となって、こうした「気づきを言いたい放題で形にする!」というプロジェクトを始めました。

記念すべき第1回は、その自然豊かな「健康荘」よりお送りしています。

デザイン・数学・建築の三者三様な意見の中から、どのような3人の共通点がみつかるでしょうか?
(健康荘:現代の「梁山泊」?!、「大人の隠れ家」「大人の遊び場」といった場所です。)

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動画もくじ
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視聴時間約60分
01:15  3人の自己紹介(デザイン・数学・建築)
08:12  それぞれの立場からデザインについて思うこと
21:40  差別化してみる
34:45  解像度について
47:26  実例:デザイナー川村
56:55  まとめ

実際の動画をご覧になりたい方はこちらを御覧下さい。

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内容の要約
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▶メンバー自己紹介
deデザイン(川村 貞知/かわむら さだとも)グラフィックデザイナー。地方のブランディング等。
∫u数学(澤 尚幸/さわ なおゆき)大学で数学を専攻。数学を使っての仕事を数々こなす。
ken建築(古川 泰司/ふるかわ やすし)木造の建築設計。

▶デザインって、何?

  • 下絵。素描。図案。
  • 意匠計画。製品の材質・機能および美的造形性などの諸要素と、技術・生産・消費面からの各種の要求を
    検討・調整する総合的造形計画。(広辞苑より)

【建築の立場から】

    • 日本は森林大国。国土の6割が森林であるのに木材自給率30%。近くに木がたくさんあるのになぜ、つかわれないの?(地球規模の大きな課題)
    • どのように素材を調達するか、どうやって使うか生産の仕組みも含めて建築。(川上・林業から川下・建築まで)
    • 林業の就労人口が減少しつつあり、日本全国さまざまな所で林業に対する取り組みがなされている。そんな中、建築家として横のつながりにコミットしている。
    • 森林を育てる、木を切るなどを生業とする人々にまでつながりを持つネットワークの重要性。(いわば林業のサプライチェーン)
    • 木造建築は、地域のことを考えて、地域を造る一角という重要な役割を担っている。
      単なる建物という物体ではなく、地域との景観や生活等との親和性や調和。


【数学の立場から】

    • 本質は1つだが、見え方はいろいろ変化する。それを見つけられる人がデザイナーではないか。(例:円すい=横からは△下からは◯、少し傾けないと円すいに見えない)
      モノの見方、見え方、見せ方等で大きく変化、多角的に見よう!
    • 人のためのデザイン。使ってもらうところまで、どのようにつなげるか。
      実行されなければ意味がない。実行されるところが見たい。
    • デザインとは、人のつながり。本質を理解してもらうためにどう見える化するか。


【デザイナーの立場から】

  • 1番よい見え方を提案できる、ビジュアルのコミュニケーションが必要。
  • 多くの人にわかりやすく伝えるのがデザイン。
  • 情報を分析・整理・取捨選択してあげるプロセスがデザイナーの仕事。
  • 円すいに見えるように、他と差別化する。


▶差別化について

Q:デザインする上でのポイント

A:機能性のみを100%を追求したデザインだと、同じようなものばかりになってしまう。個性を活かすことと差別化は重要。

都会から見た地域のイメージは、地域の人には日常的、当たり前すぎて見えていない。
地域特性とは、またそれらを活かすための演出、地方のキラーコンテンツは何かを考える。

見える化することにより地域の個性が際立ち、他地域との差別化も可能になる。

▶解像度について

Q:デザインするために必要なこと

A:可能な限りのデータを収集すること。

①デジタルでの収集(デジタルは、複製再利用が可能、分析加工が可能等)
②現地での収集(行って、見て、聞いて、体感して、communityに飛び込んでみる等)

デジタルだけでは解像度が粗い可能性、現地での体験により解像度を高めることが大切。(見方、見え方にバイアスが掛かる可能性、フィールドは大切)
デジタルだけに頼らず、人がかかわる事(アナログ)で見えない情報が得られる。
現地での収集➡解像度を高める

Q:解像度を高める利点

A:デジタルでの質感だけではなく、実際に触った時に出てくる別の質感が得られる。
地域の特性(価値や良さ)が見えてくる。ここに地域の差別化のカギがあるかもしれない。

Q:デザインを決定する決め手

A:ゼロから探し出していくためには、解像度が高くないといけない。ひらめきに頼らず、できる限りの情報を集め、現地で実際の 質感に触れて得られたデータを分類・整理し、再構築することが大切。

▶デザイン事例

デザイナー川村が実際に行ったデザイン例(約2分)

様々な可能性をもった地域の人と出会うために現地へ行って、体感し、解像度を高め、地域の特性や、地域の個性といったことを肌で感じ取るということを日々行っている。人のためのデザインを、人に使ってもらうために、人づくりからはじめることが3人の共通点。

人づくりからはじまるデザイン。

地域からうまれるストーリーの中にある、課題を分析し、人に使ってもらえるデザインの構築をそれぞれの立場で目指しています。

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